2026.07.08

犬の夏バテ対策|ご飯を食べない原因と熱中症を防ぐためにできること

健康 & 栄養

ペットボトルから水を飲む犬

犬が夏にご飯を食べないのはなぜ?

夏になると、ご飯を残すようになったり、食べるスピードが遅くなったりすることがありませんか?
これらは夏になると、よく聞かれる相談です。

犬も人と同じように、暑さによって食欲が低下することがあります。特に日本の夏は高温多湿なため、体温調節にエネルギーを使い、身体へ大きな負担がかかります。

犬は人間のように汗をかいて体温を下げることができません。主にパンティング(ハァハァと呼吸する行動)によって熱を逃がしているため、暑い日は体力を消耗しやすくなります。
加えて、散歩時間の短縮による運動不足・冷房による自律神経の乱れ・水分不足による胃腸機能の低下・睡眠の質の低下なども、夏の食欲低下につながる要因です。

ちなみに、犬が快適に過ごせる夏の室内環境の目安は、室温22〜26℃、湿度50〜60%以下です。これを超えると、室内でも夏バテや熱中症のリスクが跳ね上がります。 本記事では、愛犬のサインを見落とさないためのチェックリストと、今日からできる5つの対策を解説します。

それは夏バテかも?犬の夏バテ症状

犬の夏バテは、人間と同様に暑さによる体力消耗が原因で起こります。

こんな様子が見られたら注意しましょう。

  • 食欲が落ちている
  • 寝ている時間が増えた
  • 散歩を嫌がる
  • 元気がない
  • 水をたくさん飲む
  • 下痢や軟便が増えた
  • 呼吸が荒い

夏バテは病気ではありませんが、放置すると脱水や熱中症のリスクを高めることがあります。日頃の「なんとなく元気がない」という小さな変化を見逃さないことが大切です。

犬の熱中症は室内でも起こる

室内でクッションにもたれかかる眠そうな犬熱中症は真夏の散歩中だけに起こるものではありません。近年は、室内で発症するケースも増えています。
犬は被毛に覆われており、人間以上に熱がこもりやすい動物です。さらに身体が地面に近いため、アスファルトからの照り返しの影響も強く受けます。

熱中症の初期症状

  • 激しいパンティング
  • よだれが増える
  • 落ち着きがなくなる
  • 体が熱い
  • 歯ぐきが赤くなる

症状が進行すると、嘔吐や下痢、ふらつき、意識障害を引き起こすこともあります。特に短頭種、シニア犬、子犬、肥満傾向の犬は注意が必要です。

見落としがちな「脱水症状」

夏の健康管理で意外と見落とされやすいのが脱水です。
犬は暑い日にパンティングによって多くの水分を失います。しかし、水を飲む量だけでは十分に補えないことがあります。

脱水が進むと、

  • 食欲不振
  • 元気消失
  • 尿量の減少
  • 口の中の乾燥
  • 皮膚の弾力低下

などが見られます。
特にシニア犬は喉の渇きを感じにくくなるため、飼い主が積極的に水分摂取をサポートすることが重要です。

夏の食欲低下をサポートする5つの工夫

1. 散歩時間を見直す

真夏のアスファルトは50℃以上になることもあり、人間が感じる以上に犬の身体へ大きな負担をかけます。犬は地面との距離が近いため、照り返しの熱を直接受けやすく、短時間の散歩でも体温が上昇しやすくなります。

散歩は早朝や日没後など、気温が比較的低い時間帯を選びましょう。また、出発前に地面へ手を当てて温度を確認する習慣もおすすめです。5秒程度触れて熱いと感じる場合は、犬にとっても負担が大きい可能性があります。

運動不足が気になる場合は、無理に長時間散歩をするのではなく、室内遊びや知育トイを活用して適度に身体と頭を動かしてあげましょう。

2. 室温だけでなく湿度も管理する

熱中症対策というと室温ばかりに目が向きがちですが、実は湿度管理も非常に重要です。
犬は主にパンティングによって体温を下げていますが、湿度が高い環境では熱を逃がしにくくなります。そのため、気温がそれほど高くなくても、湿度が高い日は熱中症のリスクが高まります。

エアコンに加え、除湿機能やサーキュレーターを活用して空気を循環させることで、より快適な環境を維持できます。

また、留守番中も油断は禁物。短時間なら大丈夫と思っていても、室温は急激に上昇することがあります。外出時もエアコンを適切に活用し、安心して過ごせる環境を整えましょう。

3. 水を飲みやすい環境をつくる

夏は意識的に水分摂取量を増やすことが大切です。ただし、犬によっては喉が渇いていても積極的に水を飲まない場合があります。そのため、いつでも飲める環境を整えることがポイントです。

リビングだけでなく、寝床の近くやよく過ごす場所など、複数箇所に水飲み場を設置してみましょう。また、水はこまめに交換し、常に新鮮な状態を保つことも大切です。

お散歩やお出かけの際には、携帯用の給水ボトルを持参し、こまめな水分補給を心がけましょう。シニア犬や飲水量が少ない犬の場合は、食事に少量のぬるま湯を加えることで自然に水分摂取量を増やせることもあります。

4. 食事の香りを活かす

暑い季節は嗅覚を刺激して食欲をサポートする工夫も有効です。
犬は人間以上に嗅覚が発達しており、「香り」が食欲に大きく影響します。そのため、冷蔵保存したフードをそのまま与えるよりも、少し常温に戻してから与える方が香りを感じやすくなることがあります。

一度にたくさん食べることが負担になる犬には、1日2回の食事を3〜4回に分けて与える方法もおすすめです。食欲が落ちている時期は、食べる量だけでなく「しっかり栄養が摂れているか」も意識しながら、無理なく食べられる方法を探してみましょう。

5. 食事から水分を摂る

実は夏の水分補給では、「何を飲むか」だけでなく「何を食べるか」もとても重要です。
犬の祖先は獲物から水分を摂取していたため、本来は食事からも多くの水分を補給していました。しかし、ドライフードの水分量は一般的に約10%前後と少なく、暑い季節は飲み水だけでは十分な水分を補えないこともあります。

一方で、ウェットフードやフレッシュフードには70〜80%程度の水分が含まれているため、食事をしながら自然に水分補給ができます。

特に、以下のようなワンちゃんは、日頃食事から水分を摂るのも効果的です。

  • 水をあまり飲まない犬
  • 食欲が落ちやすい犬
  • シニア犬
  • 熱中症や脱水が心配な犬

暑い季節は、しっかり食べることと同じくらい、しっかり水分を摂ることが大切です。飲み水だけに頼らず、食事も含めて総合的に水分補給を考えてあげましょう。

ドッグフードの種類ごとの水分含有量とメリット

こんなときは動物病院へ相談を

「夏バテで一時的に食欲がないだけ」と思っていても、背景に重大な病気(消化器疾患、腎臓病、感染症など)が隠れているケースもあります。

【今すぐ病院へ行くべき危険なサイン】

  • 丸1日以上、ごはんも水も一切口にしない
  • ぐったりして元気がなく、飼い主と目が合わない
  • 嘔吐や下痢を繰り返している
  • 熱中症の初期症状(激しい呼吸、真っ赤な歯ぐき)が見られる

「いつもと何かが違う」と感じたら、自己判断せずにすぐ獣医師に相談しましょう。

夏こそ「水分補給できる食事」を意識しよう

青い器に盛られた生のフレッシュフード犬の食欲不振や夏バテは、暑さによる一時的なものと思われがちです。しかし、その背景には脱水や熱中症のリスクが隠れていることもあります。

暑い季節を元気に乗り切るためには、

  • 温度と湿度の管理
  • こまめな水分補給
  • 適度な運動
  • 水分を含む食事

を意識することが大切です。毎日の食事や飲水量、行動の変化を観察しながら、愛犬が快適に夏を過ごせる環境を整えてあげましょう。

参考ブログを読む
▶︎ 愛犬の飲水量は足りている?水分不足の原因と生食による水分補給の考え方